手術時の麻酔について

麻酔について

手術時の麻酔について
医院外観

麻酔とは手術が行われている時の痛みを除くことと同時に手術をを受けているワンちゃん・ネコちゃんの状態を厳重に守り、安全に行えるよう全身状態の管理にあらゆる努力をすることです。これにより、安心して手術が行えるようになります。「麻酔なしで手術をすることは可能でしょうか?」ということをよく聞かれます。

手術室を想像してみてください。知らない人たちが周囲にいて、知らない場所で、聞き慣れない音が聞こえ、無影灯の眩しい光に照らされる。こうした状況でワンちゃん・ネコちゃんはおとなしくしていられるでしょうか?まずその場から逃げようと必死に抵抗するでしょう。2・3人の看護士さん達におさえられてもかなわないほど暴れるでしょう。そうした状況ではもちろん血圧、脈拍、呼吸、体温などを計測するためのモニター機器もつけられません。例えつけられたとしても正確な数値がでることは無いでしょう。こういった状況で果たして完全な手術ができるでしょうか?難しいですよね。

だから麻酔が必要なのです。「全身麻酔ではなく局所麻酔でできないのでしょうか?」という問い合わせもあります。可能な場合もありますが、単に局部の痛みを取るだけで、上記の状況とそんなに変わらないのです。

私自身、局所麻酔で皮膚のできものを切除してもらったり、切り傷を縫合してもらったりしたこともありますが、覚悟を決めている状況でもかなり心臓がドキドキしていました。さらに局所麻酔が効いていない部位もあって「ううっ」と声を漏らしていました。あの状況をワンちゃん・ネコちゃんに耐えろというほうが無理だと考えています。たとえ耐えることができた(耐えさせた)としても、その間、体内ではアドレナリンやストレスに対するステロイドホルモンが放出され、心拍や血圧が上がり酸素の消費量が増えます。しかし呼吸は緊張で浅くなり、十分に酸素を取り込めません。その他にも体内では負の現象がどんどん起きます。からだに負担をかけないようにしているつもりが、逆のことをしてしまっているのです。

つぎにどのような方法で麻酔を行うかですが、まず多くの場合、静脈麻酔により眠らせます。そして眠っているのを確認してから気管内に細い管を挿入し肺に麻酔ガスを送る気管挿管を行います。麻酔ガスによる麻酔は麻酔の深度調節が容易な方法で手術が終わるとすぐに麻酔をさますこともできますのでワンちゃん・ネコちゃんには好都合です。

さて次に全身麻酔はどんな状態でも可能なのかというとそんなことはありません。ワンちゃん・ネコちゃんの状態を考えること無く麻酔をすることは大いに危険が伴うことは言うまでもありません。麻酔を代謝・排泄してくれる肝臓や腎臓の機能低下はないか?、酸素を運ぶ赤血球が少なくなっている状態(貧血)はないか?、心臓の大きさに変化がでるほどの心疾患がないか?、肺炎などにより呼吸機能が低下していないか?などを確認するためにも予め血液検査や胸部レントゲン検査などがおこなわれるのです。しかしながら麻酔のリスクがゼロでないことも事実であり、安全のためにご家族の理解とご協力が必要です。


ワンちゃん・ネコちゃんを飼う上で麻酔というとまず避妊・去勢手術をお考えになるでしょう。高齢のワンちゃん・ネコちゃんは若いときにに比べると、臓器の予備能力が落ちています。いくら健康に見えても麻酔中に呼吸機能や循環機能が低下した場合、若い時はそれに耐えることができても高齢ではそれに耐えられないかもしれないというリスクが高まります。できるだけ若いうちに手術を受けると良いでしょう。

お飼いになられているワンちゃん・ネコちゃんに手術が必要になった場合、心配や不安が無くならないのはご家族として当然のことと思います。どのような事でも構いません。お気軽にご相談ください。また、他院で手術が必要と言われている場合、セカンドオピニオンとしてもご相談を承ります。少しでも多くの獣医師の意見を取り入れたいという方もなんなりとお問い合わせください。

手術についての獣医師相談ダイヤル:042-444-1231

 

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