手術事例ブログ

2013年10月26日 土曜日

犬のレッグペルテス(大腿骨頭壊死)     調布市

レッグペルテス(大腿骨頭壊死)は成長期の小型犬に発症します。股関節で大腿骨(太ももの骨)の上側がジョイントしていますがその部分を大腿骨頭といいます。その大腿骨頭への血流が何らかの原因により障害されることで骨頭部分が壊死し変形します。本来ならツルツルで滑らかな状態ですがでこぼこな状態に変化していきます。当然、関節を動かす際に痛みが発生しびっこをひきます。とくに後ろ足を後ろに伸ばした時に痛みは強くなります。痛い足に重心をかけなくなり、筋肉がどんどん落ちていきます。治療は初期の状態であれば運動制限が有効なこともあります。しかし初期の段階では症状も軽微でレントゲン検査では判断が難しいことが多くあります。ゆえに症状が明らかでレントゲン検査でも明らかに骨に変化が出ている時点では運動制限による回復は難しく手術による治療が必要になります。手術法としては骨頭部分を切り取り、痛みを無くす骨頭切除術が一般的です。最近、人工骨頭による関節の全置換も一部機関で行われていますがまだまだ一般的とは言えません。骨頭切除術のあとは関節の可動範囲が半分くらいになってしまいますが、罹患する多くはスポーツドッグではなく小型犬ですので通常の生活をするうえで支障がでることはほぼありません。さらに術前から痛みにより関節可動範囲は狭くなっていますのでそれより悪くなるということはありません。骨頭切除後の重要なこととしてリハビリをしっかりやって行かなければなりません。リハビリをやらなかったためにせっかく手術したにもかかわらずその足をあまり使わなくなってしまうこともあります。




ヨークシャーテリアのレッグペルテスに対する骨頭切除術です。

皮膚を切皮したあと大腿二頭筋の頭側を分けていき股関節にアプローチします。


股関節にアプローチしたところです。大腿骨頭がみえます。


大腿骨頭を切り取ります。このとき角度が非常に重要で残った大腿骨側の断端が適切に切り取られていない場合にはその部位と寛骨とがこすれ、痛みが継続します。


残った大腿骨の断端をマイクロエンジンで滑らかにトリミングします。


トリミング後の状態です。これを丁寧に行うことで術後の痛みを無くすことができます。


次に筋肉の一部を残った大腿骨の内側に縫い付け、寛骨と大腿骨の断端が直接ぶつからないようにします。


その後は、分けた筋肉を元にもどし、皮下織、皮膚を縫合し終了です。


切除した骨頭です。通常はツルツルですが、細かい亀裂の他に大きな裂け目があります。



手術前のレントゲン写真です。左右比べると向かって左側の骨頭が変形しています。さらに筋肉の厚みがかなり薄くなっていることがわかります。
 
手術後のレントゲン写真です。骨頭がキレイに切除されています。



レッグペルテスは診断されたらなるべく早い時期に手術をします。手術を遅らせることで筋肉量はさらに低下し、さらに術後の足を使わない期間が長くなります。






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投稿者 西調布犬猫クリニック

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