手術事例ブログ

2013年8月 1日 木曜日

脾臓の血管肉腫 調布市 府中市 三鷹市 武蔵野市 稲城市 動物病院

イヌの血管肉腫というがんは全身のどこにでも発生します。その中で脾臓という臓器に一番発生しやすいんです。この血管肉腫というがんの性格は最低・最悪で発見時には多くの場合転移していると言われています。なんでそんなに転移するのか?・・・。なまえの通り血管の腫瘍だからです。血管にできたがんの切れ端が血液に乗ってどんどん全身に運ばれます。それがどこかで引っ掛かってそこで成長します。僕が大学の腫瘍科時代にお世話になっていた川村裕子先生(前日本獣医がん学会副会長)はこの腫瘍のことを「高速道路で育った暴走族」と例えていらっしゃいました。まさにそんな感じです。
 治療は外科切除とその後の抗がん剤治療が選択されることがほとんどです。手術の目的は腫瘍本体をからだからなるべく早く取り出すということの他に、この腫瘍はすごくもろい腫瘍ですので破裂することが多々あります。破裂すると大出血を起こし、その日のうちに出血死の可能性もありますのでそれを防ぐという目的もあります。

脾臓から突出している血管肉腫です。癒着していることもあります。小さな出血部位に周囲の組織が癒着します。

 

血管を慎重かつすばやく結紮し切除します。
 


脾臓摘出後他の臓器に異常がないかを確認し、お腹を閉じます。

 

切除した脾臓です。まだ破裂する前に取り出すことができました。すでに破裂した場合には腫瘍がお腹の中に散らばってしまう可能性がありその後の生存期間にも影響することもあります。



手術後は補助治療として抗がん剤治療を行うことで全身に飛び散っているであろう腫瘍の種をやっつける努力をします。しかしそこまでやったとしてもこの血管肉腫は極悪ですので・・・。

PS:この手術をうけたゴールデンは2年後に亡くなりました。手術を受けた時が11歳でしたからなんとか天寿を全うできたかなと考えます。この腫瘍で術後2年生存はかなり長いと考えます。ご家族の努力や本犬のがんに対する抵抗力が強かったのでしょう。

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投稿者 西調布犬猫クリニック

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